2017年1月27日金曜日

サーフレジェンドという生き方に触れて

今年の頭に宮崎へ行ってきました。


僕の大先輩にあたる方が大病を患われて、

その後退院され今リハビリ中とのことで、

どうしてもお会いして元気になって頂きたいと、

妻と二人で行くことにしたのです。


大動脈解離という病気の名前は

何となく知っている程度で、

とても不安なまま、

とにかく行ってお会いすることでしか、

この心のワサワサは収まりそうもありませんでした。


僕が実際にお会いするのは

実は2度目なんですが、

あの方ほど今の僕にとって

大切な方は居ません。


僕に波の乗り方を

教えてくれた方です。


サーフポイントを西日本各地で開拓してくださった、

レジェンドと呼ぶにふさわしい方で


以前お会いした時も、

もう還暦を超えられてなお、

僕よりも浮力の無い薄い板で波乗りを続けていて、

大会に出て優勝をねらうとか、

海外トリップでの新しいポイントの波は良かったとか、

新しく自転車にハマってて今制作中だとか、

とにかく一緒に居てこっちまで楽しくなってしまう方で、


その一度お会いした日に

僕のライディングを見て、


「右肩を左のひざに乗せるように重心とってみ!早なるから。」

と図星のアドバイスをくれたのです。


実際その日以来、

僕の波乗り人生は変わりました。


波に乗る楽しさが格段に変わりました。


僕が普段良く行くポイントも、

その方が見つけてサーフィンを始めたんです。


まだサーフィンをやる人が居ない海で、

とにかく板を持って入って行ける勇気と、

それにまつわる失敗談なんかもほんとに面白くて、

もっともっと話を聞いていたいけど、

今日っていう日はもう終わってしまうのかぁ、

そんな気持ちになって、

その時はお別れしたのでした。


そして今回元気になってもらおうとお伺いしたところ、


「あとここの骨がくっついたら波乗りしてもええって。

先生の言うこと聞くことにしてん。」


「いや、でも今回はまじであかんかもと思ったんやけどな、

みんなが自分の視界に入って来た時嬉しなってな、頑張ろうって思ったんや。」


「あ、そうそう去年行ったジャワ島にあるアチェな、あそこはホンマにええ波や。

おった四日間ずーっとダブルオーバーでな、乗れたん三本だけや、

でも、ええ波や、行ってきたらええねん。」


と、元気付けるどころか、

こちらが元気を頂くことになったのでした。


その後も地元のサーファーの方が年始の挨拶に来られて、

一緒に話しをするなかで、

サーフィンを通して、

楽しいことに純粋になれる瞬間の素晴らしさに

気づかせてもらいました。


僕自身楽しむことを念頭に

人生を送ってきたつもりだったんですが、

全然かないません。


もっと楽しい気持ちに純粋に

素直になろうと思いました。


そういう人が持っている空気が

本当に空間を明るくすることができるんです。


そしてそういう人がどこか遠くではなく、

話しかければ答えてくれる距離にいてくれることが、

本当に凄いことだと改めて感じました。


僕は西洋医学には懐疑的な考えを持っていたんですが、

緊急医療としてやはり素晴らしいんだという思いにも至りました。


まだまだ自分の中に凝り固まったものが多くあったのですが、

年明けそうそうに流れていくことになりました。


その日も、

「今年の冬はここも波きてるわ。

今日もええ波あるから行ってきたらええねん。

俺あとで、犬の散歩行くからまたそん時な。」


と言ってお別れしたのですが、

その自然体で飾り気のない言葉から、

僕の中のスイッチはオンになりました。


楽しむことに理屈なんかは関係ありません。


その手前でいろいろ考えてしまっては、

楽しむこと自体が出来なくなってしまうんです。


難しく考えることはいくらでもできます。


それがキリの無いことだと思えれば、

やめることが出来ます。


やめたあと積極的に楽しいと感じることに

自分を向けてあげましょう。


難しいことはさも難しいかのように

自分に訪れるのですが、

シンプルに対応していくことが一番スッキリしていくのです。


だとしたら難しいことを難しくする必要はありません。


自分がワクワク楽しめることに

真剣になることが全ての解決に繋がっていきます。


そのワクワクすることが健全であれば

もう何も気にすることはありません。


そのワクワクする瞬間は

誰が何と言おうと世界で一番幸せな瞬間です。


その空気感を持って世界と対峙してみてください。


難しいことは去っていくようになります。


かなわないからです。


今年からさらにこの感覚を磨いていこうと思っています。


サーフレジェンドに会えたことに感謝です。


ありがとうございます。