2016年10月18日火曜日

筋が通っていること

僕は自分の判断基準として、

筋が通っているかどうかに

とても重きを置いています。


一般的に言われる善悪なんかよりも、

筋が通っていることの方を

優先するようにしています。


物心着いた頃に、

この世の中のなんだか納得できない部分に反抗していた自分が

どうしても筋を通せなかった経験があってから、

その悔しさがこの自分を作り上げています。


でもこの基準は物事を判断する上で

とても理にかなっていることを

今でも学ぶことが出来ます。


一般的に言われる善悪は、

その時代や場所によって

全く変わってしまうことがあります。


社会というものは、

一人一人の個人が学び合うところの

総合的な観点が反映される意識体なので、


みんなであっちへ行ったり

こっちへ行ったりしながら社会全体として学んでいます。


個人が全体と同化する事はないので、

個人の成長とは全く別の時間の流れで、

様々な問題に直面しては、

社会全体が意識するようになった段階で、

ゆっくりと舵を切るように

変化していきます。


そんな変化の中で、

歴史も科学も文化的なことも、

十年もすれば言われていたことが、

全く変わってしまうなんてざらにあることです。


そんな一つ一つの刹那的な解釈に

のめり込んでしまっていると、

その時の考え方と違う新しい物事に

揺さぶられて苦しむだけです。


そんなときに

筋が通っているかどうかから見てみると、

大きく揺さぶられることはありません。


筋を通すと言うと、

無理矢理に通してしまうように

思えるかも知れませんが、

筋を通し続けるとなると、

無理矢理通した事は、

どんどん無理が祟って来ます。


どこかで完全な嘘になってきます。


嘘にまでなってしまったら、

筋どころか善悪もなにも、

全ての基準はすっ飛んでしまいます。


現代の価値観の中では、

自分に筋を通すということが

とても難しいのは確かで、

通さなくても生きていくことが出来てしまうので、

すぐに流されてしまいそうになります。


ただ、

いろんな経験に学ぶ中で

理にかなっている物事は、

全てにおいて

筋が通っているということが分かります。


筋が通っているように思えても、

どこか疑わしいような物事は、

だいたいその時代や地域的な解釈の

範疇を超えることはありません。


筋が通っていることは、

表立って良く言われてなくても、

必ずどこかに良い結果として何かを残します。


現代は商業的な価値が優先されてしまうので、

そういったものに隠れてしまう

普遍的な何かであるかもしれないのです。


普遍的な物事に

寄り添って生きていれば

何となくある不安は消え、

その時代その地域の価値観に振り回されずに、

自分のありのままでいることに自信を持つことができます。


自分を開いて、

変化を自ら取り込んで行く

柔軟さを持っておくことは、

生きていく楽しさが

その分増える事になります。


その時、

筋が通っていることを

基準としていれば、

変化に振り回されることなく、

変化を楽しむことが出来ます。


変化に振り回されることは、

これからの時代において、

かなりの危険を伴いそうです。


昨日正しかったことが、

今日悪いことになってしまうかもしれません。


そんな状況で

自分を見失ってしまえば、

迷いの中から抜け出すのは、

至難の業です。


普段は気にしない程度の迷いであっても、

ちょっとしたことからパニックを引き起こしていく

原因になってしまいます。


どんな状況でも、

冷静さを欠いた行動は

命の危険に繋がります。


ただ単に自分のわがままを

通してしまおうとしているのか、

それとも、

普遍的なものに繋がる道筋であるのかの違いは、

心の柔らかさに掛かっています。


始めから正しい判断を出来るわけはなく、

素直に真摯に物事から学んでいく姿勢があれば

何も問題はありません。


けれども

どれ程経験を積んだ人であっても、

我を通してしまうことがあります。


それ程に自我というフィルターは、

物事を覆い隠してしまいやすいのですが、


新しいものをどんどん吸収していて、

心が穏やかに楽しんでいるならば、

そこにわがままの入る余地はありません。


変化を変化として楽しんでいるところに、

執着も生まれては来ません。


淀みのない綺麗な流れは、

流れ続けていれば

綺麗なままなのです。


その流れがずっと続くように

自分の中にある拘りや思い込みを

どんどん流していくことが大切です。


そして筋の通っていることを、

自分の中に流してみてください。


連綿と続く何か普遍的なもの、

それがどういう言われ方であれ、

時間や場所なんかに左右されない確かな感覚が

自分の中に流れ始めます。


筋を通す生き方を、

次は誰が始ることができるでしょうか。